気になったので調べてみました。
日本では不登校は社会問題とも言えますが、欧米では日本ほど取り沙汰されません。
特に現在中学・高校で不登校の方は、この記事を読まれると少し気が楽になるのではと思います。
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そもそも高等学校への進学率が違う
日本の高等学校への進学率は非常に高く、欧米は日本よりも低めです。
文科省の資料によると義務教育後の進学率は
- 日本:98% (2012年、全日制、定時制、通信制含む)
- アメリカ:92.7% (2009年)
- イギリス:89%(2009年)
となっています。
参考:文部科学省 教育指標の国際比較 P3(参照2019-05-08)
日本では
- みんなが高校に行くから
- とりあえず高校は出ておかないと就職に差し支える
といった理由で高校に進学する人も多いと思います。特に日本は「みんな一緒」という意識が強い国民性なので、その分諸外国と比べると多様性をあまり受け入れない傾向はあると思います。
不登校に対する制度の違い
日本は不登校への寛容度は高く、放っておいても罰せられることは無いのですが、アメリカでは義務教育での不登校は違法とされ、親の「ネグレクト」(育児放棄)とみなされてしまいます。
つまりアメリカでは不登校を放置していると、警察に通報されたり裁判所に出廷する羽目になって、最悪親が罪を起こした事になってしまいます。
こちらの記事にアメリカでの不登校の体験談がありますが、不登校で罰せられるとは非常にシビアですね。日本より少ないのも納得です。
また、アメリカでは義務教育課程でのホームスクール(自宅学習で正規の学校教育に代える教育の事)が、全州で合法化されていることも不登校が少ない要因になっているという意見もあります。こちらについては実際の所
「学校に合わないから」ではなく、「より良い教育を求めて」積極的にホームスクーリングを選択している人が多い
引用元:こたえのない学校
傾向があります。つまり、学校が荒れていて勉強がままならない・効率的に勉強できないためにホームスクールを選択している生徒が多いので、不登校が違法という仕組みが何よりも少ない要因だと思います。
自立を重視している国民性かどうか
欧米は日本よりも子供の自立を重視している国民性です。上記の不登校は違法という法律が成り立っているのも、自立を重視している人が多いからこそです。自立して親離れしたい意識が強ければ、必然的にひきこもりにもなりません。
日本の場合は子供が不登校やひきこもりになっても、子供を守る傾向があるのは間違いありません。モンスターペアレントは、子供に過干渉すぎる親ともいえます。
自立を重視していると、必然的に親子の会話やコミュニケーションのとり方も変わってきます。子どもを1人の人としてみなし、子供がどう思っているのか、どうしたいのか、子供の選択を尊重する傾向が出てきます。
不登校のサポートを得意としているトライ式高等学院の方の著書によると
不登校では親子の会話が一方的になっていないか、本当に子供の事をひとりの個人として尊重できているか等を見つめ直す事が大切なのかもしれません。実際に私たちがお付き合いさせて頂いているご家庭の中でも、このコミュニケーションの不足が招いた愛情の行き違いがあったケースは珍しくありませんでした。
引用元:木村隆広,ひきこもらない生き方,幻冬舎,2012,199p
とあります。
いじめを許さない意識が高い国民性
アメリカは様々な人種の方が生活しているせいか、人種差別やいじめを許さない意識が非常に高い国民性だと感じます。
↓はアメリカでの社会問題を取り上げているドッキリ型のTV番組です。
いじめられていても、周りの大人がここまで守ってくれると、不登校になりにくいのも納得です。
まとめ
日本よりも欧米のほうが不登校・引きこもりが少ない理由として
- そもそも高等学校への進学率が違う
- 不登校に対する制度の違い
- 自立を重視している国民性かどうか
- いじめを許さない意識が強いかどうか
を紹介しました。
日本では働く上で高卒資格が求められる事がほとんどですが、全日制高校や中学校で不登校の生徒には、通信制高校がその受け皿になっているのが現状です。