サポート校とは、通信制高校の生徒が高校を卒業するためのサポートを行うスクールです。高等学校ではなく、民間の教育機関のため「~学院」という名称が多いです。
主に学習面と生活面のサポートを行い、それぞれの生徒に合ったサポートをしてくれるのが特徴です。通信制高校はレポート作成が必須です。自分一人ではレポート作成に手をつけづらかったり、理解がいまいち深まらない場合も適切なサポートを受ける事が出来ます。
基本的に大学進学を考えていて学習面で不安があったり、不登校で社会性を高めたい方向けで、必ずしも入学しなければいけないものではありません。
この記事では、通信制高校サポート校の特徴と、メリット、デメリットを解説します。
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目次
サポート校の特徴
サポート校の特徴は、高校卒業を支援し、その生徒が自立する力を養う事を目的としている点です。
というのも、サポート校にはいじめや不登校等の過去の体験から、対人関係に不安を感じる生徒が多く在籍しています。必要最低限のレポートやスクーリングで高卒資格は取得出来ますが、問題はその後です。
通信制高校卒業後の進路として、進学・就職をしない「その他」の人が、厚生労働省のデータでは何と約40%います。その人達の多くは、卒業後もひきこもっている事が容易に予想されます。
サポート校を活用する事でその状態を避ける事ができます。サポート校では、友達作りの機会や、ひきこもらないための多く工夫がなされています。また、できるだけ生徒が将来の目標を見つけて勉強に取り組めるようサポートしています。
とはいえ、良いこと尽くめではありませんので、まずはデメリットを解説します。
サポート校のデメリット2つ
サポート校単独では高卒資格は取得できない
ここが一番のデメリットです。サポート校は、学校基本法に記載された高校ではなく民間の教育機関のため、単独では高卒資格は絶対に取得出来ません。サポート校と合わせて何らかの通信制高校を卒業することで、初めて高卒資格が得られます。
※基本的にサポート校は、いずれかの通信制高校と提携しています。
通信制高校の授業料と料金は別で必要
サポート校の入学は任意です。勉強や通学に関する細やかなサポートはしてくれますが、当然その分別にサポート校へ支払う料金が発生します。
費用は通学日数やコースによって変わりますが、1年間で30~60万円程度のサポート校が多いです。
就学支援金は、サポート校には適用されない
サポート校は認可された高等学校ではないため、高等学校就学支援金は適用されません。
※サポート校と連携している通信制高校には適用されます。
サポート校のメリット2つ
通学日数や学力に応じ、それぞれの生徒のニーズに対応している
通信制高校の場合、基本レポート作成がメインで、通学日数は公立だと週1が基本です。
生徒の中には、通信制高校に入学し普通の高校のように毎日通いたいという人もいます。
サポート校を活用すれば、週5で通学する事も可能ですし、もっと少ない日数のスクーリングを選ぶ事も出来ます。生徒それぞれに合ったニーズを満たしてくれます。
週5でサポート校に通学している生徒の場合、午前中にレポートに手を付け、午後からは自分の興味のある資格取得の勉強をしている人もいます。
週一で通学する場合でも、レポートの作成が進まない時は一緒に作成してくれます。サポート校を活用すると、独りでレポート作成するよりも勉強する仕組みが出来ますので、当然高校卒業率が高くなります。
友達を作る機会が増える
週一のスクーリングだけだと、どうしてもコミュニケーションを取る機会が少なくなります。
サポート校では、公立の通信制高校よりもバリエーションに富んだ体験が積めます。生徒同士が交流するためのイベントやレクリエーションも工夫されており、声優さんを呼んでの職業体験ゼミ、コミュニケーション力向上ゼミを得意としているサポート校もあります。
興味の強いゼミに参加する事で同じ趣旨の仲間に出会えますし、当然ながら会話もしやすいです。
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サポート校についてのよくある質問
質問
サポート校には受験(入学試験)はありますか?
ほぼすべてのサポート校が学力試験ではなく、面接試験になります。
「高校を卒業する」という意思が重要視されていて、学力は問われません。
代表的なサポート校の入学試験
KTCおおぞら高等学院(旧KTC中央高等学院)
面接+作文。受験料:15,000円
トライ式高等学院
面接のみ。受験料:0円
中央高等学院
入学試験なし(事前面談は有り)。受験料:0円
通信制高校によって入学するサポート校が決まっているのですか?
基本的に各サポート校と提携している通信制高校が決まっています。ですので、特定のサポート校を選択すると、基本的にそのサポート校と提携している通信制高校に入学する事になります。
というのも、サポート校は学力面・生活面のサポートをしてくれる塾のような位置付けのため、特定の通信制高校が決まっていないと学習面での支援がしづらくなるためです。
代表的なサポート校と、提携している通信制高校
サポート校 | 提携している通信制高校 |
トライ式高等学院 | 「鹿島学園高等学校」「日本航空高等学校」「高松中央高等学校」「ルネサンス高等学校」「鹿島朝日高等学校」のいずれかから選択 |
KTCおおぞら高等学院 | 屋久島おおぞら高等学校 |
中央高等学院 | 中央国際高等学校 |
公立の通信制高校や定時制高校にサポート校はある?
基本的に公立の通信制高校には、サポート校はありません。
というのも、現在の通信制高校は不登校のために選択する生徒が多いですが、通信制高校が生まれた1961年当時は、家庭の事情等で中卒ですぐに働かざるを得なかった人が、働きながら高卒資格を取得する事がコンセプトだったためです。
公立は基本週一のスクーリングと、それ以外はレポート作成の自主学習が基本です。そのため、私立の通信制高校と比較すると、卒業率や進学率は落ちます。
詳細:通信制高校の卒業率とは
サポート校での勉強は、単位認定されるのですか?
サポート校に登校して授業を受けたりレポートを作成したりしますが、サポート校自体は、高等学校ではなく民間の教育機関になるため、サポート校での試験やスクーリングは単位認定されません。
※ただし、技能連携校となっている場合、認定されます。
卒業条件を満たすためには、サポート校と提携している通信制高校に最低年1回はスクーリングする必要があります。
実際のところは、頻繁に通学するのは通信制高校本校よりもサポート校になるため、生徒自身にとっては本校よりもサポート校のほうが馴染み深くなります。
まとめ
通信制高校のサポート校は、不登校の経験があり、1人でレポートを作成したり勉強するのが不安な方、高校卒業後にひきこもらず、社会と関わる力を養いたい方に特に向いています。
生徒同士や先生との交流を通して人間関係の経験を積む機会を増やしたり、コミュニケーション力を磨く役割もサポート校は担っています。
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