高等学校就学支援金とは、返済不要の国からの支援金です。
大多数の人がこの制度の恩恵を受けられ、最低でも3年間トータルで356,088円の支援が受けられますので利用しない手はありません。
公立の通信制高校の場合は、元々の学費が安いためこの制度で免除可能ですが、私立の場合は学費が補助される制度です。
保護者の年収によって補助される金額が変わるため、この記事では具体的に補助される金額と、注意点を6つ解説します。
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就学支援金を受けれない人
- 通信制高校にすでに4年以上在学している場合
- 市町村民税所得割額が30万4,200円(年収約910万円)以上の世帯の生徒
の場合は、この制度は使えません。
生徒の両親(親権者)が納める市町村民税が、合算で30万4,200円(年収約910万円)以下の人は、最低でも合計356,088円の就学支援金を受けることができます。
「児童のいる世帯」では、1世帯当たり平均所得金額は、約710万円となっていますので、大多数の人が恩恵を受けれます。
就学支援金を使わない場合の授業料
私立通信制高校の授業料は、学校によって違いがありますが1単位7,200~12,000円程度です。
1単位7,200円だと、卒業必要最低74単位だけで7,200円×74単位=532,800円必要となります。(その他教科書代等がかかります)
就学支援金を使うと、生徒保護者の収入が年収590万円以下だと、これが完全に0円になります。
年収別の就学支援金額(3年間トータル)
文部科学省の資料によると、私立の通信制高校だと1単位あたり基本額4,812円の支援が受けられます。※最大74単位分まで
支給額は、生徒の親権者の所得(生徒両親の市町村民税所得割額の合算)で変わります。
3年間トータルでの支援金額を紹介します。参考:文科省資料
年収0~250万円の場合(市町村民税所得割額0円)
基本額の2.5倍
4,812円×2.5×74単位=890,220円
※生活保護受給世帯もここに含まれます。
この世帯はさらに奨学給付金として、年額38,100円の支援が受けられます。
年収250~350万円の場合(市町村民税所得割額5万1,300円未満)
基本額の2倍
4,812円×2×74単位=712,176円
年収350~590万円の場合(市町村民税所得割額5万1,300~15万4,500円未満)
基本額の1.5倍
4,812円×1.5×74単位=534,132円
年収590~900万円の場合 (市町村民税所得割額30万4,200円未満)
4,812円×74単位=356,088円
注意点6つ
支援が受けれるのは、「授業料」に対してであって、施設設備費等は払う必要があります。
支給日や振込日について
就学支援金の支給日や振込日は存在しません。
というのも、申請、受け取り等の受給のやり取りはすべて学校を通して行われるためです。生徒や生徒の保護者は直接支援金を受け取る必要がありません。
支援金を申請し、認可された場合、所属している通信制高校の授業料が支援金分減額される仕組みです。
※学校によっては、一旦授業料全額を徴収した後、就学支援金相当額が還付される場合もあります。
申請を忘れていた場合、遡って申請できるかどうか
基本的に過去の分は支給されません。就学支援金は申請した月又は届け出た翌月から支給されます。↓の「やむを得ない理由」の場合のみ例外です。
被災や長期にわたる病欠、税の更生、保護者等の病気や仕事の都合(長期にわたる入院、療養、海外出張等。)、ドメスティックバイオレンス(DV)・養育放棄等の家庭の事情により期限までに課税証明書等の取得・提出ができないなど
引用:文部科学省 高等学校等就学支援金事務処理要領 P34(参照2020-02-23)
授業料よりも受給できる就学支援金の方が多かった場合
この場合、差額は受け取れません。
例として、実際の授業料=216,000円、受給できる就学支援金360,900円だとしても、授業料は全額免除されますが、差額は受け取れません。
生徒が20才以上の場合
20才以上の生徒が、自分で生活費を稼いでいない場合、生徒の生活を支援している人の税額が適用されます。
その生徒が自分自身で生計を立てている場合、生徒自身の税額が適用されます。
全日制から転入学(転校)した場合も支給されます
例えば、全日制で20月在学し、その後通信制に転学した場合は、48月-20月×4/3(端数切捨て)という計算式になり、通信制では22月分が支給されることとなります。
引用元:文科省
少なくとも3年分は支給されるので、使わない手はないですね。
編入(高校中退して再入学)した場合
支給期間36月を超えていても、最長2年まで支援が受けられます。詳しくは文科省のページの「22 学び直しの支援について」を参照下さい。
まとめ
就学支援金の申請は、在学中は毎年行う必要があります。支給期間は、通信課程は原則48月(4年)までです。
大多数の方が、最低でもトータル356,088円の支援が受けられます。
私立の通信制高校入学を考えている人は、活用しない手はありません。
受給のやり取りはすべて学校を通して行われるため、申請方法は在学している通信制高校に確認する必要があります。