起立性調節障害に親ができること4選【中学生向け】母親のせいではない!治るきっかけづくりを徹底解説

思春期のお子さんが起立性調節障害になると、不登校にも直結するので心配になると思います。
起立性調節障害は自律神経系の病で、次のような症状が見られます。
- 朝なかなか起きられない
- 目が覚めても頭痛や腹痛がして寝床から出られない
- 午前中は気分が優れず、午後になると元気が出てきて、夜なかなか眠れない
引用元:東京逓信病院
気になる方は、午前中に病院に行って診断してもらうのが一番です。
この記事では、起立性調節障害と診断された場合、その原因と薬を使わないで出来る対策・克服する方法を解説します。
起立性調節障害の原因
原因はシンプルで自律神経のバランスが崩れているためです。
自律神経は、自分の身体を常に良い状態に保とうと、その名の通りオートマティックに働いてくれている神経です。
暑い時に汗が出たり、胃の中に食べ物が入ったら胃液が出てきて消化してくれるのも、自律神経のおかげです。大人でも自律神経のバランスを崩すと胃潰瘍や腹痛、脱毛等の症状として現れます。
自律神経は、さらに交感神経と副交感神経の2つの神経に分けられます。
交感神経は、緊張している時、集中している時に活発に働く神経。
副交感神経は、落ち着いている時、リラックスしている時に活発になる神経です。
バランスが大切で、例えば家にいても落ち着けず、夜になっても緊張状態がずっと続くと交感神経優位の状態で眠れません。
ちなみにお子さんと父親との関係が良くないと、自律神経のバランスは崩れやすいです。
日中=父親が家にいないので、リラックスしている(副交感神経優位)
夜=父親が家にいて、ピリピリしている、緊張感が強い(交感神経優位)
の状態になるためです。
休めるべき時に身体を休められないと、車のエンジンがオーバーヒートするように、神経もオーバーヒートしてバランスを崩します。バランスを崩すとどうなるのかというと、胃に食べ物が入っていないのに胃液が出て、胃に穴が空いたり(胃潰瘍)、身体を動かしてもいないのに動悸が早くなったりします。この典型が自律神経失調症です。
起立性調節障害はそこまで強度ではありませんが、自律神経がバランスを崩している状態です。
夜は本来リラックスして眠る事で次の日の活力が養えるのですが、家にいてもピリピリした雰囲気だとリラックスできず、交感神経が活発になります。
夜にゆっくり休めていないので、朝になっても交感神経優位にならず起床出来ません。時間差で昼くらいにやっと交感神経優位になって動けるようになります。
起立性調節障害を治すためには、この自律神経のバランスを整えてやればOKです。
自律神経のバランスを整える方法
つまり、日中は出来るだけ副交感神経優位の活動(リラックスする、ボーッとする)よりも、交感神経優位の活動(身体を動かす、外出する)をするよう心がける。
夜はできるだけ副交感神経優位になる(落ち着ける、リラックスする)ように心がけます。
具体的な方法を紹介します。
夜に副交感神経優位になるようにする方法3つ
お子さんが愛されていると感じられる関わりを心がける
これは夜に限らない事ですが、お子さんが家にいて、いつ怒られるかわからない、いつもピリピリしている雰囲気だと、神経が休まりません。結果、夜になっても交感神経優位の状態(緊張感が強い状態)に繋がります。
やってはいけない事をした時は、愛情を持って叱る必要がありますが、常に親から否定されている関わりだと気が休まりません。
お子さんの話をアドバイスを挟まずに受け止めながら聴くだけで、肯定されていると感じられます。お子さんが元気が出る言葉かけも出来るとベストです。
具体的な元気が出る言葉かけについては、不登校は1日3分の働きかけで99%解決するの本が非常に参考になります。お勧めです。
夜にリラックス出来る環境にする
間接照明で副交感神経優位にする

夜に副交感神経優位にする手っ取り早い方法があります。それは間接照明を使うことです。
人は元々夜に休んでいたので、暗くなってくれば自然と副交感神経優位になる仕組みになっています。実際小学生のいるお子さんの家庭で、白色の上からの照明から間接照明に変えたところ、夜にバタバタ動いていたのが収まっています。
親自身もリラックスして眠りやすくなります。↑の写真は私の部屋ですが、非常にお勧めです。間接照明を使いだしてから8年近くになりますが、電気代は上からの照明よりも安くなります。お金もそれほどかからず、電球含めて4,000円程度で購入出来ます。電球の光色は、電球色がリラックスしやすく良いです。
アロマを使う
アロマのリラックス効果は非常に高いです。100均の物でも使わないよりはマシですが、お勧めはエッセンシャルオイル(100%自然の物から採れたオイル)のラベンダーです。
アロマの香りは理屈に関係なく、脳にダイレクトに届きますので、問答無用でリラックス効果があります。色んな使い方がありますが、枕にスプレーするタイプは手っ取り早いです。まずはご自身で使用してみて効果を体感してみて下さい。
日中は交感神経優位になる活動を増やす
日中動くと、自然と疲れて夜は眠りやすくなります。
フリースクールや適応指導教室等に少しでも足を運んで見るのが良いですが、ポイントはとにかく通うハードルを下げる事に尽きます。
通信制高校のサポート校であるトライ式高等学校では、週に1回夕方に教室に通うという方法で、起立性調節障害をクリアにしています。
Nさんは週1回、夕方に教室まで通うことにしました。しかも、通学する日はあえて約束をしませんでした。これは彼女が自ら申し出て適用されたルールです。
~中略~
やがて午前中に起こっていた頭痛などの症状は少しずつなくなっていき、入学して半問を経過した頃には、毎日午前中には起き上がれるようになっていました。
引用元:トライ式ひきこもらない生き方
まとめ
起立性調節障害になる原因は、自律神経のバランスが崩れているためです。
日中は出来るだけ動いて交感神経を活発にさせる、
夜はリラックスを作って副交感神経を活発にさせる事で、自律神経のバランスが整います。
リラックスする方法は、まずは親御さん自身がその効果を体感してみて下さい。