入学前は通信制高校を本当に卒業できるんだろうか?と不安な気持ちも出てくると思います。
それが軽くなる1つの数字として卒業率、中退率を公立・私立でそれぞれ計算してみました。
※データについては文科省平成29年度学校調査から計算しています。
結論からお伝えすると、
- 公立は卒業率:83.1% 中退率:9.3%
- 私立は卒業率:93.9% 中退率:5.8%
になります。私立の方がサポートが手厚いため、どうしても公立よりは卒業率が高く、退学率は低くなります。
それぞれの計算方法と数字の根拠を解説します。
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通信制高校の卒業率について
データの求め方について解説します。
文科省の公表されているデータですが、通信制高校の場合退学者が学年毎ではなく、その年度に退学した人一括です。というのも通信制高校の場合、学年制ではなく単位制を採用しているところがほとんどだからです。
退学した人の中には、初年度で退学する人もいれば、2年、3年とたってから退学する人もいますが、そのすべてが含まれています。
その退学者数トータルを入学者数で割ってしまうと、どうしても↓のような乱暴な計算になります。
公立:5,531人÷10,911人×100=50.7%(退学率) 卒業率:49.3%
私立:7,102人÷38,561人=18.4%(退学率) 卒業率:81.6%
しかし、退学者は通信制高校の在学者全体から出るのに対し、入学者は例年全体数の1/3ほどになるため、こちらの計算方法は正確とは言い難いです。
そのため、退学者数÷3÷入学者数×100でまず退学者率の目安を出し、100-退学者率=卒業率として計算しています。
公立の通信制高校のデータ(2017年)
退学者総数:5,531人
入学者数:10,911人
全体生徒数:59,718人
上記計算方法での公立の卒業率:83.1%
私立の通信制高校のデータ(2017年)
退学者総数:7,102人
入学者数:38,561人
全体生徒数:122,797人
上記計算方法での公立の卒業率:93.9%
通信制高校の中退率について
2017年の文部科学省、学校基本調査から計算すると、
私立の通信制高校:5.8%
になります。
データの求め方については、その年の退学者数÷全体生徒数としています。
公立の退学者数:5,531人÷公立全体生徒数:59,718人=9.3%
私立の退学者数:7,1021人÷私立全体生徒数:122,797人=5.8%
※退学者は在籍年数に関係なく出るため、退学者数÷入学者数では計算していません。
私立の方が中退率が低いですが、公立よりもサポートが充実していたり、スクーリング日数に柔軟性があるため、当然の数字といえます。
就職率、大学進学率について
2017年度の就職率は、公立、私立ともほぼ20%ですが、
大学進学率については、公立:10.5%、私立:19.0%と明暗分かれています。
詳細:通信制高校卒業後の進路を解説|公立と私立では明確な差有り
その通信制高校で今のご自身が求めているものが得られそうかどうかで判断するのがお勧めです。
まとめ
調べてみて公立の卒業率が予想以上に高かったのが驚きでした。私立のメリットないじゃん!と思われるかもしれませんが、就学支援金制度を使えばほとんどの方が356,088円以上の支援を受けられます。