通信制高校の公立、私立の違いとそれぞれ向いている人

通信制高校の公立と私立の主な違いは、

  • 学費
  • スクーリング日数
  • 学習サポート

です。表にまとめてみました。

公立 私立
学費 年間2~5万円程度 年間10~30万円程度
スクーリング日数 基本週1(年間約50日) 最低年間4日~週5から選択可
学習サポート レポート作成は自習 各種サポートを選択可
年齢層 20代以上が多い 全日制と近い
主な対象 働きながら高卒資格を取得したい方 不登校の方、大学進学を目指す方

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公立の特徴と向いている人

スクーリング(通学での授業)が基本週1ペースでありますので、公立の通信制高校に1時間以内で通学できる方に向いています。

学費が安いのが1番のメリットですが、基本都市部にしかありません。

元々公立は労働者のための高校として開かれていました。何らかの事情で中学を卒業してすぐに働かざるを得ず、働きながら高卒資格を得たい方のために設置されたものです。現在は通信制高校自体が不登校生の受け皿に変わってきていますが、上記の事情のため公立は大学進学を目的に作られていません

また、自習でレポートを仕上げる必要があるため、ある程度の自己管理能力も求められます。レポートを出さないと単位が取得できず、卒業出来ないためです。

私立の特徴と向いている人

公立と比較すると学費はかかりますが、その分サポートが手厚く、スクーリング日数も週5日から、最低年4日間まで選ぶ事ができます。

  • 不登校経験があり、サポートを受けながらスクーリングしたい
  • 公立のある都市部から離れた場所に住んでいるため、週1のスクーリングは厳しい
  • 声優や美容関係など、興味のある分野を学びながら高卒資格を取得したい

方向けです。大学進学コースを設置している私立もあります。

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年齢層の違いについて

公立は私立と比較して20代以上の生徒が非常に多く、
私立は全日制高校と同年代の生徒が多いです。

↓は、2018年の通信制高校の公立と私立の年齢別生徒数です。全体の生徒数は、私立が公立の約2倍多いです。

通信制高校の年齢別生徒数の表

引用元:政府統計学校基本調査 e-Stat 平成30年度版を元に作成

私立は、15才、16才、17才の多さが目立ちます。
公立は、40代は私立の約3倍、50代は約6倍になり、幅広い年齢層の方が通われています。

そのため、公立は同年代の友人を作りたい方には向いていませんが、様々な状況の人に接する事ができます。シングルマザーとして働いている方や、戦後の混乱期で学べなかった方と共に肩を並べて学んでいるだけで、自分自身の価値観の幅が広がりやすくなるメリットがあります。

入試の違いについて

基本的に入試は私立、公立ともに書類選考+面接のところが多いです。特にほとんどの私立は入試で学力試験が無く、ハードルが低いです。面接では入学したい意思を伝えれば、まず落ちる事はありません。
詳細:通信制高校の面接で失敗しないためのポイント6つ

ただし公立の通信制高校の中には、英国数の学科試験を実施しているところもあります。
東京の公立通信制高校の入試は、例年全3校とも学力検査(国・数・英)のみで、 面接無しで実施されています。

大阪府立桃谷高等学校(公立の通信制)の場合は書類と面接で、都道府県によって異なります。

まとめ

その他の違いとして、卒業率は公立が約83%、私立が約94%でサポートが厚い私立の方が高いです。

とにかく学費を抑えたい、働きながら高卒資格を取得したい方

不登校経験のある方、通信で大学進学を目指したい方、サポートを受けて確実に3年間で卒業したい方

にそれぞれ向いています。

私立は学費が高い!と思われがちですが、就学支援金制度を使えば学費の補助が受けられます。世帯年収が高くない家庭だと3年間で最大89万円の支援が受けられますので、計算した上で決めるのをお勧めします。

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