定時制高校と通信制高校では、どちらも高卒資格が得られます。
最も大きな違いとしては、
定時制は一斉授業が中心(毎日学校に行って集団で授業を受ける)
通信制はレポートによる自宅自習(個別指導)が中心
という点です。
それぞれの高校の特徴、その他のポイントと合わせて詳細を解説します。
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定時制高校の特徴
定時制高校は、1日に4時間程度の授業を行う学校が多いです。午前のみ、午後のみ、夜間のみ通えます。
もともと定時制高校が創設されたきっかけは、中卒で働く人が昼間働きながら高校教育を受ける機会を得るためでした。
日本の戦後高度成長期に創設された制度ですが、時代の流れで中卒で働かざるを得ない人が減り、今は不登校に近い人や発達障害を持つ人などが増えています。
学年制がほとんど
定時制高校の学習スタイルとして、一斉授業が基本です。そのためほとんどの定時制高校が学年制です。
学年制は「決まった時間」に、「決まった場所」で集団学習を受けるのが基本です。減点法になり、赤点で進級できなかったという事態もありえるのがデメリットですが、集団生活の機会を多く作れるのがメリットです。
通信制高校の特徴
通信制高校はレポートによる自宅自習(個別指導)が基本で、単位制をほとんどの高校が採用しています。
単位制はレポートをいつやろうと生徒の自由です。スクーリング以外では学年制のように「決まった時間」が設定されていないので、勉強する時間は自分で確保する必要があります。
単位制のメリットとしては加点法である点です。レポートを提出、スクーリングを受ける、試験に合格することで単位が取れるので「実践することで単位が取れる」という感覚、達成感が得やすいのが特徴です。
学費について
学費については、公立の場合は定時制の方がやや高いです。
公立の定時制高校学費
学年制の場合:年額 32,400 円×3=97,200円
単位制の場合:1単位1740円×74単位=128,760円
公立の通信制高校学費
1単位当たり336 円×74単位=24,864円
私立の場合は学費大差なし
私立だと、定時制高校、通信制高校で、どちらも授業料年間18万円程度と、大差はありません。
サポート校の有無
通信制高校のみにサポート校があり、定時制高校にはありません。
これはもともとサポート校は、通信制高校でのレポート作成のサポートや、不登校の生徒が単位取得出来るように、細やかに対応するのを目的として設立されているためです。
いじめの確率が高いのは定時制高校
定時制高校と通信制高校のどちらでいじめが発生しやすいかでいうと、明らかに定時制高校の方がいじめ発生の確率が高くなります。
その理由は、いじめは何らかの集団の中で発生するためです。
定時制高校は、決まった時間に決まった場所で授業を受ける学年制のシステムのため、クラスという特定のコミュニティに属さざるを得ません。
通信制高校もスクーリングがありますが、スクーリング毎にメンバーが変わる事も多く、特定の集団に入る必要性がありません。
友達を作りやすいのは定時制高校ですが、通信制高校でも文化系・スポーツ系の色々なクラブを作っていたり、参加しやすい年間行事を月毎に設定している所もあります。
時代に合わせて伸びているのは通信制高校
中卒ですぐに働かざるをえない人が減ったり、定時制高校よりも通信制高校のほうが生徒に細やかに対応出来るためか、学校数は定時制高校は減少し、通信制高校は増えています。
(引用元:文部科学省資料)
生徒数は通信制高校:約19万人、定時制高校:約11万人(私立公立の合算、平成24年度)となっており、通信制高校の方が多いです。
まとめ
定時制高校と通信制高校の大きな違いは、
- 定時制=基本学年制(一斉授業)
- 通信制=単位制(レポートとスクーリング)
という点です。
定時制高校は、一斉授業を強く望んでいる人に向いています。
不登校を経験している人は、通信制高校のほうが細やかな個別指導を受けれたり、サポート校も利用出来るため、通信制高校の方が向いています。